葬儀社はぼったくり??
ある時期から葬儀費用が高いのではないか?といった情報を見聞きするようになった印象かがあります。
そこで今回は、実際に葬儀費用は高いのか?高い葬儀費用によって葬儀社は大きな利益を上げているのか?極端な話、葬儀社はぼったくりなのか?という点を考えてみたいと思います。
葬儀が高い印象の理由
葬儀費用が高い(高かった)と思う理由は様々だと思いますが、今まで葬家の方と話していて私が感じたことを以下にまとめてみました。
終わってみたら想定よりも高かった
「最初の打ち合わせの時に提示された金額より請求の金額が高かった」という場合や「打ち合わせをしている内にどんどんと金額が大きくなっていった」など、思っていたよりも高くなってしまったというケースです。
見せかけの金額と実際の金額
金額が想定よりも高くなってしまう大きな要因が「見せかけの金額」と「実際の金額」との乖離になります。
広告などに記載されている金額で葬儀ができると思っていたのに、その金額では実際に葬儀ができずに高くなってしまった。
そんな話を耳にしたり経験したことがあるかと思います。
中には広告などに記載されている金額は最低限の内容であって満足に葬儀ができないプランを載せている葬儀社も中には存在するのが実情です。
そのような広告などにもプランに「含まれているもの」と「含まれていないも」のが記載されてはいますが、葬儀に関しての経験や知識がなければ判断がしにくいと思います。
そうした消費者をターゲットに「見せかけの安い金額」を提示して集客している葬儀社で葬儀をした場合に「葬儀費用が高かった」とっくの方が感じてしまうのです。
オプションの罠
葬儀社と打ち合わせをしているとオプションを進められることがあるかと思います。
最初に提案されるプランには「グレードの低いもの」が設定されていて「オプション」で「グレードアップをしていく」という葬儀社もあります。
「最後のお別れですので○○くらいはプランのものではなく、より華やかなこちらにしてはいかかですか?」なんて言われたら「たしかにそうね~」「最後くらいは~」なんて思ってしまいます。
そのようにしてオプションを追加していく事で徐々に費用が高くなっていき、最終的に「こんなに高くなると思っていなかった」ということになってしまうのだと思います。
葬儀社を信頼できない
これまでの内容を読んでいれば当然の事ですが、そんな葬儀社の事は信用できませんよね。
ですが、このような葬儀社は一部であり、しっかりとした葬儀社も多く存在します。
しかし一部の葬儀社により「悪いイメージ」が先行した結果、現在の「葬儀社は信頼できない」といった風潮になってしまっているのです。
葬儀社の事を信頼できないので「なんでこんなに高いのか」「本来はこんなに高くないのではないか」などと実際の葬儀内容などとは関係なく思ってしまうのだと思います。
ネットなどによる原価率の情報
最近はネットなどに葬儀に使用する備品等の原価が出ていたりと、調べようと思えば様々な情報が手に入るようになりました。
そして、テレビや雑誌でも特集などが組まれるなどした結果「葬儀社は儲け過ぎているのではないか」「葬儀費用が高すぎるのではないか」と言われるようになりました。
そういった情報により葬儀費用が高いと感じてしまう場合もあるかと思います。
実際に葬儀費用は高いといえるのか?
高いと思われがちな葬儀費用ですが、実際のところはどうなのでしょうか?
色々な角度から考えてみます。
目に見えないコスト
備品などの原価にだけ目を向けがちですが、人件費や運送費など、表に出てこない費用も多くあります。
また、仕事の性質上「365日24時間」いつ仕事が飛び込んでくるか分からないので、即座に対応できるような体制を組んでおかなければなりません。
更に、一般的に敬遠されがちなご遺体を取り扱うといった特殊な業種もあり、死を扱ううえで肉体的にも精神的にも少なからず負担がかかります。
そういった目に見えない経費も考えた場合、一概に葬儀費用は高いと言えるのでしょうか?
葬祭業は小売業ではなくサービス業
原価という点で更に考えたいのが「葬祭業は小売業ではない」という事です。
仕入れたものを販売する小売業の場合、原価率は業種にもよりますが大まか「50%~80%」程度の場合が多いのではないでしょうか。
サービスを提供する飲食業の場合は原価率は平均で「30%~40%」が好ましいと言われているようです。
同様にサービス業の理容業(美容室等)では原価率は「10%前後」が好ましいと言われています。
では葬祭業の場合どうでしょうか?
概ね「10%~」などと言われている情報が多いかと思いますが、実際のところ「規模の大きい葬儀社」と「規模の小さい葬儀社」では仕入れの仕組みや購買量も変わりますので原価は倍くらい変わってくる場合もあります。
そして、葬儀の低価格化により原価率は高価格化していっています。
話を戻して、葬祭業の原価率は「10%~20%」だとした場合、それは「ぼったくり」になるのでしょうか?
上にあげた飲食業でも、飲み物の原価率が10%を切るもの稀にありますが、居酒屋でサワーを飲んで「この店のサワーはぼったくりだ!」と思われる方はいないのではないでしょうか。
全体的に見れば原価率がそこまで低いわけでもない(30%~40%程度)ですし、そこだけピンポイントに物事を見る人もいないのかもしれませんが(笑)
理容業(美容室等)の場合も葬祭業と同様に原価率10%程度ですが、比較的すんなりとカット料金を受け入れているのではないでしょうか。
それは美容師さんの「技術にお金を支払っている」という考えがきちんと根付いているからではないでしょうか。
それではなぜサービス業である葬祭業の葬儀費用が高いと思われているのでしょうか?
根本的な理由はやはり、葬祭業界の今までの「おこない」であり、そこに出てきた原価という情報により決定打になったのではないだろうかと、ある意味で自業自得な部分もあるように感じてしまいます。
まとめます
葬儀費用が高いと感じるかどうかは最終的には「個人の感覚」になってしまうと思います。
特に高い費用をかけて行うものなので透明性のない金額に対しての猜疑心は当然と言えるかもしれません。
近年では葬儀費用の透明性をうたった葬儀社も増えてきてはいますが、葬祭業に従事する私からしたら見せかけの透明性であり、各種サービスの内訳を明瞭にした結果、追加費用であるオプションを追加しやすくなっている内容に改悪されているケースも散見されます。
業界内から見ても高いと思える料金設定(見せかけの金額ではなく実際の金額)の葬儀社が存在するのも事実ですが、妥当な料金設定の葬儀社も多くあります。
あくまでも葬祭業はサービス業ですので、サービスに対しての付加価値も判断材料すべきだと思いますが、生活するうえで葬儀を経験する機会は少なく、美容室のように定期的に利用し美容師さんの技術を理解したうえで料金設定を判断することはできません。
実際に葬儀を行う前にサービスの質を見極める必要があります。
額面に対して高い安いを判断するのか?内容(サービス)に対して高い安いを判断するのか?
どちらにせよ葬儀社を見極めるには事前に準備することが大切だと思います。
このブログを読んでくれているそこのあなた!
今一度「葬儀費用」について考えてみるいい機会かもしれませんね!